辺野古「浅瀬」案 地元は条件次第で受け入れの動きも 首相への不信ますます (産経新聞)

【揺れる沖縄】

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、政府が米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市辺野古)の南方沖の浅瀬に滑走路を建設する「浅瀬案」の検討を始めたことを受け、シュワブ周辺住民に条件次第で受け入れる動きが出ている。ただ、地元では無責任な発言で混乱を助長してきた鳩山由紀夫首相への不信が広がっており、退陣を求める動きは加速しつつある。(宮本雅史)

 シュワブに隣接する辺野古、久志、豊原の3地区は名護市との合併前から米軍との間で親善委員会を作り、良好な関係を続けてきた。「米軍との友好関係もあり、普天間の危険を除去するという国策のために受け入れた」。辺野古区行政委員会普天間代替施設等対策特別委員会の古波蔵廣委員長は平成9年に橋本龍太郎首相(当時)から辺野古沿岸部への移設を提案された当時をこう振り返る。

 名護市も紛糾した。市議会は9年12月23〜24日に徹夜で激しい議論を続け、反対派と機動隊がにらみ合う中、24日午前6時57分、15対13で受け入れを可決。比嘉鉄也市長(当時)は自らの辞任と引き替えに受け入れ容認を表明した。

 当時市議会議長だった島袋吉和前市長は「苦渋の選択だったが、議論を尽くしたので可決後は賛成派も反対派も握手した。現政権はそんな歴史を何も知らなかった」と語る。

 それだけに政府が日米合意案に近い「浅瀬案」の検討を始めたことへの思いは複雑だが、島袋氏は「改めて依頼があれば市議会も移設を容認するだろう」と語る。古波蔵氏も「受け入れ条件はすでに地元で確認している。正式な申し出があれば、すぐにでも詳細な検討を始める」と柔軟に応じる構えだ。代替施設推進協議会の宮城安秀会長は「シュワブ陸上案は反対だが、これまで受け入れてきた沿岸案に反対する理由はない。ただ、ハードルは当然高くなる」と語る。

 ただ、1月の名護市長選では移設受け入れ反対派の稲嶺進市長が島袋氏を破り当選しており、13年前以上に紛糾する可能性がある。

 4月25日には普天間飛行場の早期返還と国外・県外移設を求める県民大会が沖縄県読谷村で予定されているが、「反基地」より「反鳩山」が強まりつつある。

 宮城氏は「半年間騒がせるだけ騒がせて一体何だったのか。受け入れ先のあてもなく政権を奪取するためだけにわれわれを利用した。国家の指導者の資格はない」と首相を厳しく批判。あるタクシー運転手(60)は「基地反対ではないが、県民を愚弄(ぐろう)した首相を退陣させるために大会に行く」と語る。

 「浅瀬案」ならば地元が受け入れる可能性は十分あるが、「首相退陣」が条件となりかねない。かつて比嘉元市長もそんな苦渋の選択をした。「命がけで行動する」と大見えを切った首相が進退をかけなければ地元は収まらないだろう。

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